こんにちは、ドクダミ淑子です。
『ルビンの壺が割れた』という小説を読みました。
結果として、内容にはがっかりだったのですが、色々と学ぶことが多いと思ったので、今回はこの本との出会いから、読了後の行動までを詳細に書いていきたいと思います。
やっぱりタダでは起き上れない!ブログにして昇華だ!
ルビンの壺が割れた【電子書籍】[ 宿野かほる ]
|
出会いは書店。目を引く配置と帯とポップ
私がこの本と出会ったのは、とある書店。
最近ずっとマンガとビジネス書と雑誌しか読んでいなかった私は、久しぶりに「小説」が読みたいなぁとなんとなく思っていました。
(最後に読んだ小説は、芥川賞受賞の『コンビニ人間』。これは面白かった)
そんな中、ふらふらっと小説コーナーに言ったら目を引いたのはこの本でした。
POPが印象的で、目を引きました。
※あやふやな記憶から書いています
編集者の私はとりあえず読んでみてと渡された。
とにかく凄い!
私もとりあえず読んでみてと周りに伝えた。
凄すぎて帯のコメントが思い付かないイィ!
新潮社の編集者がそう言うなんて、どんなに凄いものなのだろうか?
単純にワクワクしました。
書店では買わなかったのですが、翌日電子書籍でダウンロードしました。
お値段1080円。
電子書籍だから安いのかな?(よくあることです)そのくらいに考えていました。
読みながら、モヤモヤが膨らんできた
そんな感じでワクワクしながら読んでいきました。
ふむふむ、往復書簡風の小説か…でも、冒頭の手紙からなんか気持ち悪いな。
写真を拡大する描写とか、ガラスに映る顔を見逃さないとか…
あ、そうなんだ、もともと二人は関係があったのか…でもなんでだ?
読み進めるうちに、なんだか違和感ばかり出てきました。
っていうかそもそも、こんな長い文章をFacebookでやりとりって…しかもメッセージでってことでしょ?
そんなことしなくない?
なんでこの二人はやりとりを続けているんだろう?明らかに嫌がってるのに、なんでシカトしないんだろう。
そして無駄に衝撃的な親戚の話や、大学の演劇サークルにドロドロをてんこ盛りにして…からの…オチ。
読み終わってから、悩んだ
読み終わった瞬間、「え?」と思いました。
(電子書籍って、残りのページ数は「●%」ってところを見ないと実感できない。集中して読んでいたので、どのくらい読んだか確認していませんでした。)
ああ、最近よくあるらしい、「最後の一行でどんでん返し系」ってやつか…
でも、これってそんなに面白い話?
初めのべた褒めの印象があったからか、自分の感覚を疑いました。
あんなに面白いと言われた小説を面白く読めない私って、最近小説を読んでなかったから感性がおかしくなってる?
Amazonレビューで確かめる
それからどうしたかというと、Amazonのレビューを見始めました。
そうしたら、私が思ってたことと同じような感想があふれていて、自分がおかしいのではなく、ただ単に駄作だったのだろうという結論に至りました。
でも、Amazonのレビューを見ないと自分の感覚が正しいのかわからないなんて、よくないなと思いました。
そこでもう一度、なぜ私は面白いか面白くないかを識別できなくなったのかを考えたんですね。
そして、「初めの評価が高すぎたから」という結論に至りました。
誰かが「物凄く良い」というものは、やっぱり「良いもののようだ」って印象が付き、よく思えるんだなぁということを改めて感じました。
しかも今回は、天下の新潮社だから余計にだまされましたね。
そして、Amazonのレビューって、案外当てになるんだなぁとも思いました。
ハズレに当たることで学ぶことがたくさんありました
今回の読書体験で、学ぶことがたくさんありました
- POPに踊らされない(出版社や書店員が売るためのツール)
- タイトル・装丁に騙されない
- 出版社が有名でも駄作はある
- Amazonのレビューは役に立つ
レビューには「1000円払う価値がない」という意見がたくさんありましたが、まぁ1000円払って「もっといい本に出会えるように、POPに踊らされないようにしよう」と学んだなら、まぁいいか、というところです。
どこかで「人から紹介されたものしか読まないようにした結果、ハズレを読んでいない」という文章を読みましたが、それはちょっと違うと思いました。
紹介してくれる人は当たりもハズレも読んで、自分の考え方やスタンスを学んでいくのに対して、そのフィルターを通されたものだけを読むのって、自分自身の感覚が鈍ってくる気がする。
私の、久しぶりに小説でも・・・で、見事にPOPに踊らされて「凄い本」という気持ちで読み続けてしまった原因は、感覚が鈍っていたからだと思います。
当たりに出会えるように、広告に踊らされないようなアンテナを張っていきたいと強く思った出来事でした。
こちらもどうぞ